山形県最上郡大蔵村、肘折温泉。人びとの暮らしをあたためる湯が脈々と湧き出る山間の湯治場に、12年目の「ひじおりの灯」が灯ります。 肘折温泉開湯1200年の夏にはじまった灯籠絵展示会「ひじおりの灯」。 今夏も東北芸術工科大学の大学院生・卒業生ら8名の若手作家が温泉街で逗留制作を行い、湯治場の暮らしの情景や雄大な自然、古くから語り継がれてきた民話や信仰などの物語を八角の灯籠に仕立てました。作家それぞれのまなざしが絵巻のようにぐるりと広がる灯籠絵は、湯治場の夜とこの土地の物語をいきいきと映し出し、私たちをイメージの向こう側へと誘ってくれます。 湯治場と絵画のコラボレーション。 顔まであかりに照らされて、どうぞゆっくりとお楽しみください。 2018年7月21日(土)→9月17日(月) 山形県最上郡大蔵村肘折温泉 新作灯籠8基は、8月11日から展示いたします。 8月11日~8月26日は湯治部屋にて屋内展示もいたします。 新作灯籠出品者 浅野友理子、伊藤眸、草彅裕、是恒さくら、春原直人、古田和子、山口裕子、𠮷田勝信(五十音順) ◎ ARTIST TALK『肘折絵語り・夜語り』 2018年8月18日(土)19:30~21:00 肘折温泉街(旧肘折郵便局舎前集合) 新作灯籠の制作者によるトークイベント 灯籠制作者の解説を聞きながら灯籠鑑賞をお楽しみください。 ◎今年の出品作
「ミズの旬、くじら来たる初夏」 肘折温泉の夏の郷土料理「鯨汁」を今年、はじめて味わった。味噌仕立ての汁に鯨の皮と脂肪を塩漬けにした「鯨塩皮」、山菜のミズ、じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどが入る。鯨塩皮は宮城県牡鹿半島の捕鯨の町・鮎川浜で加工されたものが多い。山々を超えて運ばれた鯨塩皮は、冷蔵庫の無い時代の貴重な栄養源だった。今でも鯨汁はお年寄りに好まれるという。ただし、肘折温泉では「みず汁」と呼ぶ。山菜のミズが採れる初夏に作る料理だから、だそう。とれたてのミズをたっぷり、もぎって(手でちぎって)汁に入れる。鯨の長旅に思いを馳せていたけれど、ここでは山菜の方が主役だったのだと気づいた。海の幸と山の幸、出会って生まれる夏の味。
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AuthorSakura Koretsune. Artist. Archives
July 2024
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