SAKURA KORETSUNE
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Ordinary Whales / ありふれたくじら Vol.6
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汀線をゆく / Flowing along the shoreline
Journal of Ordinary Whales / ありふれたくじらジャーナル
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Swimming Tree / 泳ぐ木
Fictional Toys (Aji Island, Miyagi Prefecture) / 空想玩具シリーズ(宮城県・網地島)
Product 1: Ordinary Whale's Eye / ありふれたくじらの眼
Product 2: Ordinary Whale's Light / ありふれたくじらの灯
藝術の旗をつくる / Making an "Art" Flag
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石巻市の中心市街地を抜け、静かな住宅街に入った千石町に、江戸時代から続く「山田染工場」がある。工場の裏手には、江戸時代に石巻の基礎を築いた川村孫兵衞重吉が、北上川の改修工事を行った際の測量に用いた縄を祀るという縄張稲荷神社がある。毎年、夏に行われる「川開き祭り」は川村孫兵衛重吉への感謝と川の恵みへの感謝を捧げ、ご先祖様を供養するもので、縄張稲荷神社では縄
にちなみ大縄引大会が奉納される。
山田染工場七代目はご夫妻ふたりで工場を切り盛りする。神社の幟、飲食店の暖簾、そして漁船の大漁旗。漁業の町の仕事と暮らしと信仰の場面をあざやかに彩ってきた染め物を一枚一枚、手作業で作りつづけてきた。型紙作り、糊付け、染色、洗い、縫製と、ふたりで協力して、あるいは手分けして行う。東日本大震災時は工場も自宅も浸水し、しばらく工場を閉めていたけれど、震災後2年目あたりまでは新しく造られた漁船に贈る大漁旗の注文がひっきりなしだった。そんな忙しさも落ち着いた今、工場の後継はおらず、山田さんはあと何年続けられるか…と話す。漁業の町の民俗文化とともにある「染め物」は、この土地で培われた芸術のひとつのかたちだと思う。
ここで、山形藝術界隈の「藝術の旗」を作り掲げたいと思った。
「藝術の旗を考える」
2018.5.18 於・山田染工場
是恒:「山形藝術界隈」という旗を作りたいんです。旗はどうやって作られていますか?
山田:うちで作る旗は最近のプリントの旗と違って、生地に糊をひいて塗り絵のように描くから、細かい絵は描けないんですね。「山形藝術界隈」だと、「藝」が難
しい。書き順は、わかったふりして書くと間違うから調べてから書きます。
是恒:「藝」の字が大きくあって、周りに単管パイプがあるような旗にしたいです。単管パイプは「山形藝術界隈」のメンバーがよく展示で使っているもので、屋外で展示をするような時でも、自分たちで仮設の展示空間を建てられる。単管は「山形藝術界隈」の目印、アイコンのようなものなんです。昔ながらの石巻の大漁旗の絵柄にはどんなものがありますか?
山田:「鮑熨斗」はよく使う絵柄ですね。大漁旗は贈り物ですから。他には、四という数字を使ってはいけないとかあるけど、最近は気にしないです。
是恒:大漁旗の中には、絵として見ても美しい、芸術的なものもありますね。
山田:昔からやっていたものですから。芸術とは…。ずっとやっていれば洗練されてきて、より美しくなるんですよ。
是恒:これまで作られた旗のデザインを見ていると、絵柄の形がシンプルで大胆なものが目を引くんですね。単管パイプの実物には陰影があるけど、旗では単純化した方がいいなと思えてきました。
山田:その方がいいですね。旗は、近くで見るんじゃなく離れて見るものなので。絵柄が複雑だと、近くで見るとしんどいなぁっていうのがある。遠くから見た時の色の出方も考えています。
是恒:色の組み合わせも大胆にしたいです。
山田:赤と紺の組み合わせはいいですよ。シンプルなんだけど目立つ。地色をどうするか、「藝術」は一色にするのか。例えば半分を黄色にして、半分にグリーン、薄い黄色を真ん中に入れてぼかしでグラデーションを作ることもできます。
是恒:地色は紺色で、パイプは白い枠線でいきたいです。「藝」は白で、単管パイプは赤で、背景は紺色とか…。おもしろい旗になりそうです。
山田:こういう変わった旗は、商売っていうより自分の楽しみでもあります。
本作を「山形藝術界隈展〇七[是恒さくら・久松知子 二人展]」にて展示しました。
「山形藝術界隈展〇七[是恒さくら・久松知子 二人展]」
有馬かおるが企画するギャラリー「GALVANIZE gallery」(石巻のキワマリ荘 1F)にて、山形藝術界隈が1年間を通して企画・展示を行なうプロジェクトの第四回展示となる、2018年7月6日からの是恒さくら・久松知子 二人展は、「山形藝術界隈とは何者なのか」という問いに答えようと構想されました。この二人の作家は共に、〈芸術(アート)と日常の肉迫〉が山形藝術界隈の特徴であると考えています。有機的に変容しつづける芸術運動体の中で積み重ねられてきた物語(個人史)と、本展覧会開催地の石巻で培われてきた民俗文化の交差点に、二人の作家それぞれの視点から芸術(アート)と日常の関わりに焦点をあてるアプローチを紹介いたします。
※
プレスリリースPDF
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●展覧会概要
展覧会名:山形藝術界隈展〇七[是恒さくら・久松知子 二人展]
会期:2018年7月6日(金)~~8月19日(日)
会場:GALVANIZE gallery(石巻のキワマリ荘 1F [宮城県石巻市中央2-4-3])
開場日時:会期内の毎週金・土・日曜/11:00~18:00 (※会期中の開場日時は変更する可能性がございます)
入場料:無料
出品作家:是恒さくら、久松知子
主催:山形藝術界隈
協力:有馬かおる(GALVANIZE gallery)
後援:yukiaisaime、山形藝術界隈友の会
企画:山形藝術界隈、halken LLP
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「藝術の旗をつくる」ドキュメントブック
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