SAKURA KORETSUNE
Exhibition Information & Current Activities 展覧会情報等と最近の活動報告
where I am - everyday creation and travels
Ordinary Whales / ありふれたくじら Vol.6
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Carta Cetacea / くじらじまの海図
汀線をゆく / Flowing along the shoreline
Journal of Ordinary Whales / ありふれたくじらジャーナル
나(ネ)から私へ / Korean “I”, Japanese “I”.
Swimming Tree / 泳ぐ木
Fictional Toys (Aji Island, Miyagi Prefecture) / 空想玩具シリーズ(宮城県・網地島)
Product 1: Ordinary Whale's Eye / ありふれたくじらの眼
Product 2: Ordinary Whale's Light / ありふれたくじらの灯
藝術の旗をつくる / Making an "Art" Flag
つみくさ / tsumikusa
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{木|本}
「本」はいつまで「木」だったのだろう
木の繊維がほどかれ 紙が漉かれ 頁の重なりが糸で綴じられる前?
「book(本)」という言葉はもとをたどると「ブナ」をあらわす「beech」だったという
森の中で誰かがブナの樹皮に ナイフで刻んだ言葉が
ずうっとそこに残っているのを見たことがある
まだ紙もペンも持たなかった私たちの祖先は 傷ついたブナの樹皮を見て
記録の術を編みだしたのかもしれない
長い長い時が経ち
木は木として 芽生え、伸び、茂り、倒れて朽ちて
本は本として 書かれ、綴じられ、読まれ、配られ、時に燃やされ
遠く離れてしまった
本はまだ、木になれるのだろうか
この本には、生命ある木々の樹皮の内側で育まれた物語が採集されている
「泳ぐ木のこと」
その土地だけのことば、がある。
牡鹿半島に通ううち、ここでは「浜(はま)」が「集落」に近い意味で話されていることを知った。
浜は海と森のあいだ、畑があって小川が流れ、家々が寄り添いあう場所。人が暮らす静かな波打ち際だ。
蛤浜から外に出て森を下っていくと、静かな無人の入江がある。この冬、この入江に大きな木が丸ごと流れ着いていた。
その表面はびっしりと貝と海藻におおわれていた。
どこかの森に生えていた木が倒れて流され海をさまよい、長い旅を終えてここに辿り着いたのだろう。
浜は、帰ってくる場所、辿り着く場所でもある。
きっと人だけでなく、森と海にあまねく生命たちにとっても。
長い旅を終えて、浜辺に辿り着いた一本の木の物語を「泳ぐ木」という本にしました。
(2018年2月9日 是恒さくら)
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鹿画廊|2018・冬「絵と縫物と本」にて販売中
会期:2018年2月9日(金)~18日(日)
https://www.facebook.com/events/130686111062745/
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