仙台在住の美術家・是恒さくらの展覧会を開催します。是恒は国内外の鯨にまつわる話を訪ね集め、文章、刺繍作品を制作。それらを本の形にしたリトルプレス「ありふれたくじら」シリーズを発表してきました。時には人々の対立の原因にもなる鯨ですが、丁寧につづられた是恒の文章や刺繍は、鯨とかかわりながら暮らす人々の物語を遠く離れた誰かにまっすぐ優しく語り伝えます。本展覧会では原画刺繍を始め、最新作「ありふれたくじらVol.5」も発表します。
- 北の海から南の海まで、季節のうつろいとともに移動する鯨。ある海辺の町では人が鯨を捕らえて食べる。また別の海辺では鯨は人の祖先として、あるいは神の使いとして、丁重にもてなされる。それぞれの土地のそれぞれの言葉で鯨は語られ、違う物語が紡がれる。 鯨とは何者なのだろう。そんな思いからここ数年、宮城県石巻市・牡鹿半島、気仙沼市・唐桑半島、和歌山県太地町、北海道網走市、米国アラスカ州の先住民の村ポイント・ホープといった、昔から捕鯨や鯨猟がおこなわれてきた土地、鯨にまつわる文化を持つ土地を訪れ、その土地に暮らす人たちから鯨との体験談や言い伝えられてきた物語を聞き集めている。 捕鯨船の元船長、鯨の解体士、鯨に捧げる歌の歌い手、鯨猟師の妻、鯨を祀り鯨食を忌む土地で育った人たち。捕鯨問題の対立が世界にもたらしたほころびを繕うように、さまざまな人たちから採話をすすめ、集めた鯨の物語を縫い合わせる。そして刺繍を添えた本を編んでいる。 ひとつの土地に、一冊の本をつくる。海を超えて土地と土地、物語と物語を結んでいけるように。 展覧会に寄せて 作家の言葉 -------- 是恒さくら個展 「ほつれを・まつる ~リトルプレス『ありふれたくじら』2016-2018~」 盛岡・Cyg art gallery 2018年10月13日(土)-11月11日(日)11:00–19:00/無休 ※11.11(日)13:45-15:30はイベント参加者のみの入場 https://www.cyg-morioka.com/exhibition/2018101/index.html -- ◎ トーク&朗読「ありふれたくじらの足跡」 10月に是恒がくじらにまつわる岩手県・宮城県の祭の取材を計画中です。その取材発表を中心としたトークと、ありふれたくじらの朗読を行います。 2018年11月11日(日)14:00- ※当日13:45-15:30はイベント参加者のみの入場となります 会場:Cyg(展示会場) 参加費:1,000円 定員:20名/予約優先(電話・店頭・ウェブにて受付)
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AuthorSakura Koretsune. Artist. Archives
July 2024
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