(English follows) I am delighted to announce the exhibition at HumSam-biblioteket, University of Oslo. This will be a combined exhibition of art and research with the research project "Whales of Power". I would like to introduce stories behind the new embroidery work I will show at the exhibition, which has been my focus for the past half year. ---------- It began with a glass negative. The image was captured by Henrik Govenius Melsom, a Norwegian gunner who served on board Japanese whaling ships around 1900. The "Norwegian system of whaling" was introduced to Japan from Norway in the early twentieth century. The invention of the Norwegian system of whaling using grenade harpoon guns brought great advances in whaling technology. Melsom's glass negatives show whaling ships and whaling stations of the era, his travels throughout Asia and Europe, and his family in Norway. During that time, local whalers in Japan who had traditionally practiced whaling by nets became laborers for the new whaling industry. Whales that formed the lives and culture of the locals became a resource to be competed for catch among several countries, at the same time in the introduction of the capitalist economy. It was the time when people's views of nature changed drastically in their relationship with whales. I began to wonder if I could find a trace of the people's minds of this era in the records and material culture that remain in Norway and Japan as if untieing the tangled memories with whales. One of Melsom's glass negatives was taken onboard a whaling ship. A whale caught was being towed to the side of the ship. The ship's name was unknown, while the letters "SHIN..." could be recognized on a lifebuoy. The letters seem to be a part of the ship's name. Observing materials related to whaling at museums in Norway, I also became interested in objects that are common or similar to things found in Japan. For instance, penguins carved from sperm whale teeth and painted whale baleen with images of whaling ships were created by Norwegian and Japanese whalers during their voyages, respectively. The study on the whale bone arches introduced by the Western society and transformed into whale bone torii (a shrine gate) in Shinto shrines in Japan was also in my mind. It may have been a kind of intuition that grew from the experiences. I began to think that if Japanese whalers painted whale baleen, they might have dedicated the baleen to shrines, not only as ornaments like used in Norway. As I contacted museums and researchers, I found some examples of baleen paintings dedicated to shrines as "ema" (votive paintings). Among them, I encountered an ema dedicated to a shrine in Hagi, Yamaguchi, in Japan. The whaling ship depicted on the ema was "Shinkomaru." It is thought to be from the early 1900s. The whaling ship captured on the glass negative by the Norwegian gunner Melsom would have been the same ship depicted on the ema. It was a whaling ship built in Oslo, or the city of Kristiania at the time, and transferred to Japan. Hagi of Yamaguchi is the birthplace of Juro Oka, who traveled to Norway at the end of the nineteenth century to study the Norwegian whaling system. This ema's dedication took place when the traditional whaling ended, and the modern whaling industry began in Japan. I have been embroidering the narratives left in Norway and Japan over the unique ship Shinkomaru, as a glass negative and votive painting on whale baleen. During the process of creation, I learned the history and relationship with whales around the Hagi area, including the use of whale oil to exterminate harmful insects on rice fields and the tradition of eating whales on a special occasion of the Setsubun celebration that continues today. I visited Melsom's descendants, heard their family history and memory, and observed the goods brought from Japan. The memories and histories of the two lands are stitched on a long piece of textile. As my stitches began to depict images and overlap, the separated memories seem to come together. ---------- The exhibition opening is on the 25th April. We will have short presentations, followed by Q&A, light refreshments and a tour of the exhibition! https://www.ub.uio.no/kurs-arrangement/arrangementer/uhs/2023/utstillingsapning-whales-of-power.html
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(「VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─」出品作に寄せて)
10代の春休みの一時期、広島県の瀬戸内海にある故郷の島で「漁網編み」のアルバイトをしたことがあった。だだっ広い工場の2階、3〜4名の女性たちが片膝を立てて座り、ゴザの上に広げられた大きな漁網を編み進んでいく。黒光りするナイロンの糸は硬く、仕事を始めたばかりの私の指は3日もすると絆創膏だらけになった。 急にそのことを思い出したのは、それから約15年後のこと。東北で暮らすようになり、2018年に訪れた宮城県気仙沼市で、民俗資料の中に私の故郷の町の名が記された漁網の広告があった。はるばる気仙沼から瀬戸内海の島の業者に漁網を注文することもあったようだ。海の町のネットワークは、時に思いがけぬところで、記憶と語りを結びつけていく。 網の目のように、結ぼれていく世界がある。 日本国内から北米まで、さまざまな土地で鯨にまつわる話を訪ねるうち、海で隔てられた土地と人同士の結びつきや、遠く離れた海辺の風景や物語の類似に気づいた。船で旅した人々が伝えたもの、移ろう人々が伝えたもの。鯨のように回遊する生物が各地で人々にもたらしたもの。 人を介して鯨を知る。鯨を通して人を見る。その係りの全体像を〈とらえる〉道のりは、網の目をひとつひとつ埋めていくようだ。ひとつひとつの網目に縫い取られた物語は、伸縮する網の上を遊び、離れていたはずの異なる物語に重なっていく。大いなるイメージを〈とらえようとする〉私自身も、網を編みいくつもの物語を縫い取りながら、網のなかに〈とらわれてゆく〉のかもしれない。〈とらう〉ことは内にも外にも起きていて、見慣れた風景を新しくも、見知らぬ物語を懐かしくもする。 網を張り巡らせながら、解像度を上げながら、描いていく。 まだ見ぬ鯨のイメージを〈とらう〉ため。 現在住んでいる苫小牧市の美術博物館にて、企画展「NITTAN ART FILE4:土地の記憶~結晶化する表象」が始まります。
「かつて苫小牧の砂浜の神社に、鯨の骨が祭られていた。昔のイワシ漁では鯨が大漁を招くと信じられていた」——数年前、ふと聞いたその話がきっかけとなって、今はもう失われたその神社と鯨骨の風景がどんなものだったのか、どこから伝わってきたものなのかと調べながら、東北〜北海道の旅を続けてきました。そしていろんな出来事が重なり、今秋より苫小牧に住み始めました。 この海辺の土地の記憶のひとつの層を、鯨を通して見つめるような、作品がかたちになりつつあります。この展示では、秋より発行しているフリーペーパー「Carta Cetacea」も内容を深めて紹介します。 ——-- 企画展「NITTAN ART FILE4:土地の記憶~結晶化する表象」 https://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/.../nittan4.html... 出品作家:こだま・みわこ(版画家)、是恒さくら (美術家)、佐藤祐治 (写真家)、山脇克彦 (構造家) 会期:2022年1月15日(土)~3月13日(日) 休館日:月曜日 開館時間:9:30~17:00(最終入館16:30まで) 会場:苫小牧市美術博物館 観覧料:一般300(240)円、高大生200円(140)円、小中学生以下無料 ※( )内は10名以上の団体料金 / ※年間観覧券による観覧可能 / ※免除申請についてはお問い合わせください。/ ※併せて中庭展示、常設展示もご覧いただけます。 主催:苫小牧市美術博物館 協力:NPO法人樽前artyプラス 後援:苫小牧信用金庫、北海道新聞苫小牧支社、株式会社苫小牧民報社、株式会社三星、北海道新幹線×nittan地域戦略会議 【イベント】アーティストトーク 本展出品作家が展示作品に関する解説をおこないます。 ※内容詳細については決まり次第、更新します。 日時:2022年1月15日(土) 13:30‐15:30 講師:こだま・みわこ氏(版画家)、是恒さくら氏(美術家)、佐藤祐治氏(写真家)、山脇克彦氏(構造家) 聞き手:藤沢レオ氏(金属工芸家・彫刻家) 北海道札幌市の大通り地下ギャラリー「500m美術館」にて、6人のアーティスト、4人のキュレーターによる展覧会 「せんと、らせんと」が開催されています。 私はキュレーターの四方幸子さんとともに参加しています。ここ何年も、四方さんと私の鯨をめぐる旅や北の土地への思考を交換してきました。さまざまな人が行き来する地下通路。2つのケースを使い、私の旅の〈これまで〉と〈これから〉を紹介しています。 ひとつ目のケースは、私の旅の結晶である、リトルプレス 『ありふれたくじら』シリーズ他、2016年以降各地で制作・発表してきた「本の形の表現」や各種フリーペーパーを紹介しています。 ふたつ目のケースは、私のここ数年間の東北~北海道間の移動、今年春からの札幌滞在、秋以降の苫小牧への移住をふりかえり、鯨をめぐる旅の新たな船出として、一艘の舟と鯨のイメージを重ねたサイアノタイプ・布・刺繍・テキストで表現しています。 {展覧会情報}
500m美術館vol36 「せんと、らせんと」6人のアーティスト、4人のキュレーター 詳細はこちら 開催概要 会 期 | 2021年12月11日(土)〜2022年2月2日(水)7:30-22:00 会 場 | 札幌大通地下ギャラリー500m美術館 住 所 | 札幌市中央区大通西1丁目〜大通東2丁目 (地下鉄大通駅と地下鉄東西線バスセンター前駅間の地下コンコース内) 展示作家 |進藤冬華、朴炫貞、是恒さくら、マリット・シリン・カロラスド ッター、モーガン・クエインタンス、ピョートル・ブヤク 本展キュレーター|飯岡陸、四方幸子、柴田尚、長谷川新 主 催 |札幌市 企 画 |CAI現代芸術研究所/CAI03、一般社団法人PROJECTA 2015年以降、宮城県内では石巻/牡鹿半島、気仙沼/唐桑半島、塩竈、七ヶ浜町、岩沼市など各地で訪ね歩き集めてきた鯨にまつわる物語。鯨に導かれ旅するように、私が集めた物語は和歌山へ、北海道へ、はたまた北米各地の鯨にかかわる人たちへと連なっていきました。 鯨を解き、鯨を編む――数千年前に誰かが海辺で拾った鯨の骨が、地中から見つかり現代に物語を届けるまで。その間に生まれたいくつもの物語を、縫い合わせていく。海そのものの広がりと豊かさとして姿をあらわす、おおきないきもの。 ぜひ、出会ってみてください。 せんだいメディアテーク開館20周年展
ナラティブの修復 https://www.smt.jp/projects/narrative/ 開館20年を迎えたせんだいメディアテークでは、ナラティブ(もの語り)をテーマとした展覧会を開催します。古くは民話に例をみるナラティブの様態ですが、今日わたしたちがアートと呼ぶ表現もその一形態として捉えることができるでしょう。それは個々の出来事や体験を他者へと開いていくさまざまな「語りの術」であると言えます。 この展覧会には、東日本大震災からの10年間、メディアテークとともに地域のなかで活動してきた表現者が、過去・現在・未来を見据えて、それぞれの観点であらわした10のナラティブが集います。 情報技術の発達とともにコミュニケーションは遠隔化し、ナラティブをとりまく環境は大きく変化してきました。そして、わたしたちはいま、新型コロナウイルスの流行によって、他者との空間の共有や、身体的な接触が困難になるという危機にあります。そのなかで、もちろんインターネットは有効な技術ですが、メディアテークではそれだけに頼らず、独自のメディアや技法の開発によって生まれる多様なナラティブを伝え、次の10年に向けて、一元的ではない世界の認識を提示したいと考えています。 ■ 会期:2021年11月3日(水・祝)~2022年1月9日(日) ■ 休館日:2021年11月25日(木)および2021年12月28日(火)から2022年1月3日(月) ■ 公開時間:10時から19時(入場は18時30分まで) ■ 会場:せんだいメディアテーク 6階ギャラリー4200 ■ 入場料:一般500円(大学生・専門学校生含む)、高校生以下無料、障がい者手帳・豊齢カード等をお持ちのかたは半額 ■展示作家:阿部明子 磯崎未菜 菊池聡太朗 工藤夏海 小森はるか+瀬尾夏美 是恒さくら 佐々瞬 佐藤徳政 伊達伸明 ダダカン連 主催:せんだいメディアテーク(公益財団法人 仙台市市民文化事業団) 助成:一般財団法人 地域創造、芸術文化振興基金 協力:和光大学芸術学科松枝研究室 後援:NHK仙台放送局、tbc東北放送、仙台放送、ミヤギテレビ、KHB東日本放送、河北新報社、朝日新聞仙台総局、読売新聞東北総局、毎日新聞仙台支局、産経新聞東北総局、日本経済新聞社仙台支局、仙台リビング新聞社、せんだいタウン情報S-style、エフエム仙台、ラジオ3FM76.2 北海道立北方民族博物館にて、ロビー展「石の知る辺~アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランド、先住民シネコックに鯨の物語をたずねて~ 是恒さくら 本・刺繍・写真展」を開催します。
2019年に是恒が訪れたアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドで、先住民シネコックの人々と鯨のかかわりを尋ねる旅の記録の写真とともに、鯨にまつわるエピソード、そこから着想された刺繍作品を紹介します。 |会期| 2021年1月5日(火)~1月24日(日)*1月12, 18日は休館 |開館時間| 午前9時30分〜午後4時30分 |会場| 北海道立北方民族博物館 ロビー 〒093-0042 北海道網走市字潮見309-1 電話 0152-45-3888/FAX 0152-45-3889 |主催| 北海道立北方民族博物館、東北大学東北アジア研究センター |観覧料| 無料 ● 関連イベント 「ロビー展・解説会」 |日時| 2021年1月10日(日)10:00-11:00 |会場| 北方民族博物館 講堂 |講師| 是恒さくら氏(美術家) |定員| 20名(要申込) |対象| 一般 |参加料| 無料 ● 展覧会について http://hoppohm.org/tokuten/tokuten_2020/index.htm#6 (北海道立北方民族博物館) 2020.10.31〜11.15|是恒さくら+Dylan Thomas「ふたつの水が出会うとき / When two waters meet」(Cyg art gallery, 盛岡)11/8/2020 Cyg art galleryの近くを流れる中津川にかかる橋の上では、毎年秋になると多くの人が鮭の姿を探して足を止めます。遠く海の向こうのビクトリア市にも鮭が帰る川が流れ、古くから人々の生活に欠かせない存在となっているそうです。
この展覧会では盛岡市・ビクトリア市姉妹都市提携35周年記念事業として、2つの土地に共通する「鮭」の存在に注目し、「鮭と人の暮らしとアート」をテーマに是恒さくらとDylan Thomas2人の作家の作品をご紹介いたします。 是恒さくらは各地に残る鮭の話を聞き集め、それらの話や取材の旅の中で目にした様子をもとに作品を制作。その様子は集めた糸を組み合わせより分けながら布を織り上げるようでもあります。その作品からは、互いの相違点ではなく、どこか似通った姿が見えてきます。 Dylan Thomas はカナダの先住民であるコーストサリッシュのアーティストで、伝統的なモチーフや技法を引き継ぎながら、新しい伝統芸術を発表しています。その作品の図案と色のハーモニーは、魚の動きや月の形など自然の現象を映し出しています。 残念ながら、今回はDylanの来日は叶いませんでしたが、2人の作家が描く鮭の姿を通して、遠く離れた土地の物語に思いを馳せていただければと思います。 --- 「ふたつの水が出会うとき / When two waters meet」 盛岡市の中心部を流れる中津川では、秋になると橋の上から川をのぞきこむ人たちを見かける。長い旅から故郷の川へ戻って来た鮭を、誰もが愛おしそう見つめている。 東北各地に「鮭のオオスケ」にまつわる伝承がある。毎年秋の決まった日に、鮭のオオスケと呼ばれる大きな鮭が叫び声をあげながら、眷族をひきつれ川を上ってくる。その叫び声を聞いた者は命を落とす。だからこの日より前は漁を行わない、という類のものだ。鮭のオオスケは、鮭の王とも、鮭の妖怪ともいわれる。 岩手県内では、大鷲にさらわれた人が鮭のオオスケに助けられ故郷に帰って来たという話(旧竹駒村/現・岩手県陸前高田市)や、遠野が湖水であった頃、気仙口から鮭に乗ってやってきた男が遠野郷に住み着いた人間の始まりであったという話がある。人の世界と鮭の世界が交わる語りは北海道や北米にもあり、環太平洋に広がっているようだ。 古くから、鮭はカナダ北西海岸の先住民の重要な食料でもあり、敬われる存在でもある。そしてやはり日本と同じように、鮭にまつわる伝承や信仰がある。 ある土地では、鮭は海の奥深くの村に住む不死身の人間であると信じられ、春になるとその人々は鮭に姿を変え、陸に住む人々に食料として自らの体を与えた。また、鮭の群れは同じ一族であり、その中の誰かが故郷の川に戻ることを許されると、一族の全員がそれに続くのだという。 先住民のサーニッチの人々は、すべての生き物はかつては人間であったと信じており、尊敬の念を持って接している。鮭もまた私たち人間の親戚なのだ。 ...その年最初の大きな紅鮭が捕まえられたとき、サーニッチの人々は鮭の王への敬意を表して歓迎の儀式を行った。時としてその儀式は10日間続くこともある。 …時間をかけて祝うことは、鮭の群が川に戻って産卵し、その子孫を残すことを願うものでもあったのだ。 [一部ニコラス・クラクストンの論文より引用] 毎年同じ川に戻ってくる鮭は、流域に留まり暮らす人々にとって、想像の彼方の遠い世界との間を行き来する不思議な存在でもあっただろう。時代は変わり、世界は小さく、遠くは近くになりつつあった。しかし2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、日本から国外へ旅することも、海外から日本を訪れることも難しくなった。 けれど鮭たちは、きっと変わらず同じ川に戻って来るだろう。北太平洋のアラスカ・カナダの海岸まで回遊する10,000キロメートルの旅を終えて、日本の私たちにとって身近な川に、鮭は戻って来る。その昔、人々がはるか彼方へ旅する鮭にさまざまな物語を託したように、想像の力を鮭の姿にのせて、いまここから旅ができるかもしれない。 今回、盛岡で発表されるDylan Thomasの作品は、太平洋のむこう側にも鮭とともにある暮らしや文化があることを教えてくれる。是恒さくらは、日本国内では忘れられつつある鮭の伝承へのリサーチから、変身譚に着目する。「鮭に姿を変える人とその衣装」を、想像の世界への案内人として創作する。 鮭に導かれたふたつの世界が出会う時、私たちはどれほど遠くまでゆけるだろう。 --- https://www.cyg-morioka.com/exhibition/20201031/index.html 是恒さくら+Dylan Thomas 「ふたつの水が出会うとき / When two waters meet」 〈盛岡市・ビクトリア市姉妹都市提携35周年記念事業〉 Cyg art gallery(岩手県盛岡市内丸16-16 大手先ビル2F) 2020.10.31(土) - 11.15(日) 11:00-19:00/火曜・水曜定休/入場無料 「ひじおりの灯について」
霊峰月山の麓、湯治場の夜にほのかに灯る灯籠絵。開湯1200年の夏から続く灯籠絵展示会「ひじおりの灯」では、毎年山形に縁ある若手作家らが温泉街で滞在制作を行い、周辺に広がる豊かな大地や動植物、山岳信仰に同地の歴史、湯とともに生きる人々の暮らしなど、湯治場に息づくさまざまな情景を描いています。 14年目となる今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため温泉街の旅館や商店が休業する期間もあり、作家の皆さんとともにそれぞれの場所から今できることを模索する日々が続きました。 「灯」は見えないものの輪郭を照らし出します。灯籠が照らすのは、温泉街やこの場所から続く日常です。そこに見える輪郭を語らい、その声に耳を澄ませる手段のひとつとして、今年も「ひじおりの灯」を灯します。 ------ 新作灯籠出品者 大久保雅基、桶本理麗、草彅裕、是恒さくら、佐野美里、渋谷七奈、春原直人、田中望、中須賀愛美、古田和子、増子博子、目野真麻、𠮷田勝信 (五十音順) ------ 秋期点灯(2020年9月12日(土)~10月11日(日) | 新作灯籠を含めて展示)にて、新作灯籠を出品します。 今年は新作の制作過程をfacebookページで紹介しています。 ひじおりの灯【灯籠絵制作ノート】 「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」は、東北芸術工科大学が2年に1度主催する芸術祭で、今年で4回目を迎えます。過去3回、山形市内を舞台に様々な芸術作品、活動を発表してきましたが、山形ビエンナーレ2020では芸術監督に現役医師であり芸術分野に造詣の深い稲葉俊郎氏を新たに迎え、世界の状況が一変した中で芸術祭の新しい可能性を示すべく、オンラインを中心としたプログラムを展開します。多くのゲストアーティストと共に、芸術文化の存在意義、価値を山形から発信します。 ------ 世界の状況が一変し、多くの文化イベントが中止となる中、芸術祭の新しい可能性を示すべく、「山形ビエンナーレ2020」ではオンライン配信を中心にプログラムを展開します。 多くのゲストアーティストと共に、芸術文化の存在意義、価値を山形から発信。会期中23日間にわたって、アート&デザイン、音楽、食、工芸、民族学など、多彩なジャンルで構成されたコンテンツをオンラインで体感できます。 今回のテーマは「山のかたち、いのちの形~全体性を取り戻す芸術祭~」。このメインビジュアルは、自然界と人間界をつなぎ新しい世界の在り方を見出そうとしている存在を、山伏の坂本大三郎氏がモデルとなって表現。残雪と新緑が美しい6月の月山で撮影されました。 美しい山形に訪れていただくことはできませんが、こちらのWEBサイトで、山形やアート体験をみなさまにお届けします。今後はタイムリーに各プログラム詳細をアップ デートしていきますので、ぜひ山形ビエンナーレ2020にご注目、ご参加ください。 https://biennale.tuad.ac.jp/ (公式ウェブサイト・SNSより) リトルプレス『ありふれたくじら』Vol.6の制作プロセスであり、随筆であり、うつろいかたちを変えていく思考の記録として、note「くじらの見える書窓」をはじめました。不定期の投稿に加えて、有料記事としてリトルプレス『ありふれたくじら』のバックナンバー(Vol.1~5)から再編したエピソードを公開していきます。 |
AuthorSakura Koretsune. Artist. Archives
April 2023
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